
要点まとめ
RAM価格が高騰しているのは、メモリメーカーが先端の生産能力をAIデータセンター向けのサーバーDRAMと高帯域幅メモリに振り向け、PCやスマートフォンに回る分が減っているためです [1][2]。TrendForceは1Q26の汎用DRAM契約価格が前四半期比55-60%上昇すると予測し [1]、IDCは2027年末より前の緩和はないと見ています [3]。
重要なポイント
- TrendForceは2026年1月5日に、汎用DRAMの契約価格が1Q26に前四半期比で約55-60%上昇し、サーバーDRAMは60%超上昇すると予測しました [1]。
- メモリメーカーはHBMとサーバーDRAM向けの先端ノード生産を優先しており、その結果、DDR4などの成熟ノード製品へのウェハー割り当てが減っています [2]。
- IDCは2026年6月2日に、2026年のPC出荷台数が11.3%減少する一方でPCの平均販売価格が17%上昇すると予測し、メモリ不足の解消は2027年末より前には見込めないとしています [3]。
- TrendForceは、サーバーCPUの出荷が2026年に31%、2027年に40%超伸びると予測し [4]、CPU1基ごとにDDR5メモリが必要だと述べました [5]。
- 消費者需要は低調で、PC出荷台数は2026年に11.3%減少する見通しですが [3]、AIは生産能力の中で占める割合を高めてメモリと部品のコストを押し上げており [5]、供給各社はサーバーDRAMとHBMを優先し続けています [1][2]。
- 確認した出典のいずれも、DRAM価格がいつ下がるかという日付を示していないため、品不足の終了時期はあくまで推定です。
このページの内容 13 章
2026年にRAMがこれほど高いのはなぜですか?
RAMが高いのは、メーカーが最良の生産能力をAIサーバー向けのメモリに振り向けており、それ以外の用途に回る分が減っているためです。アナリスト会社のTrendForceは2026年1月5日の発表で、DRAMサプライヤーが先端プロセスノードと新規の生産能力をサーバー向けとHBM向けの製品に再配分しており、他の市場への供給が大きく制限されて汎用DRAMの価格が押し上げられていると述べました [1]。2026年6月22日には、DRAM大手3社がHBMとサーバーDRAM向けの先端ノード生産を優先し続けており、DDR4などの成熟ノード製品へのウェハー割り当てを削減していると述べています [2]。
その結果生じているのは、総生産量だけでなく割り当ての問題としての品不足です。供給各社がサーバー向け製品を優先しているため、PCやスマートフォン向けのメモリ供給は逼迫したままです [1][2]。
価格上昇はどれほど大きいのですか?
最も顕著な数字は、2026年1月5日に公表されたTrendForceの2026年第1四半期の予測です。同社は、汎用DRAMの契約価格が前四半期比で約55-60%、NAND Flashの契約価格が33-38%上昇すると予想しました。さらに、サーバーDRAMの契約価格は60%超、クライアント向けSSDの契約価格は少なくとも40%上昇すると見込んでいます [1]。これらはメモリ市場に商業的な利害を持つアナリスト会社の予測であり、確定した取引データではありません。
完成品にはどのような影響がありますか?
別のアナリスト会社であるIDCは2026年6月2日に、2026年のPCの平均販売価格(ASP、製品が販売される平均的な価格)が17%上昇すると予測し、今後2年間でメモリの生産能力が拡大しても、価格が2025年の水準に戻る可能性は低いと述べました [3]。メモリはあらゆるPCやスマートフォンの内部コストの一部であるため、メモリ価格の上昇は、機器価格の上昇や仕様の引き下げという形で購入者に及びます。
RAM不足とは何で、DRAMはどのように作られるのですか?
RAM(ランダムアクセスメモリ)は、機器がプログラムを実行している間に使う高速な作業用メモリです。その大半はDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)で、シリコンウェハー上に製造されます。ウェハーとは、一度に多数のチップを作り込む薄い円盤のことです。ウェハーは特定の製造ノードで処理され、そのノードによって、出力をどの種類のメモリにできるかが決まります。
メモリには、用途の異なるいくつかの系統があります。
- DDR4とDDR5は、PCとサーバー向けの標準的なDRAMの世代です。
- LPDDRは、スマートフォンや多くの薄型ノートPCで使われる低消費電力のDRAMです。
- グラフィックスDRAMは、グラフィックスカードに使われます。
- HBM(高帯域幅メモリ)は、AIアクセラレーターと組み合わせて使う特殊な設計です。
なぜ1つの製品が別の製品の供給を奪うのですか?
それらの製品が同じ工場を奪い合うからです。TrendForceは2026年1月に、グラフィックスDRAMの価格が上昇を続けているのは、類似のプロセス技術を使うDDR5の生産能力によって供給が制約されているためだと述べました [1]。言い換えれば、ある製品に振り向けられた生産能力は、関連するプロセスで作られる製品から奪われた生産能力です。TrendForceは2026年6月にも同じ選択を説明しています。先端ノードの生産はHBMとサーバーDRAMに向けられ、DDR4などの成熟ノード製品のウェハー割り当ては削減されています [2]。
契約価格とスポット価格の違いは何ですか?
契約価格は、PCメーカーやクラウド事業者のような大口の買い手が、交渉した供給契約のもとで支払う価格です。スポット価格は、その場限りの即時購入に対する価格です。TrendForceの主要な予測は契約価格に関するものであり [1][2]、メーカーが支払う価格を表していて、個々の店舗の販売価格とは必ずしも一致しません。
AIデータセンターはどのようにメモリ不足を引き起こすのですか?
AIデータセンターは、2つの経路で品不足を引き起こします。非常に大量のサーバー向けメモリを購入することと、自らが使う先端製品へ製造能力を引き寄せることです。
なぜクラウド事業者は発注を前倒ししたのですか?
TrendForceによると、米国拠点のクラウドサービス事業者は、AI推論基盤の拡大に伴い2025年後半から発注を前倒ししています。AI推論とは、学習済みのモデルが実際のリクエストに答える段階のことで、モデルを作る学習とは区別されます。TrendForceはさらに、サプライヤーの在庫が枯渇に近づいていたため、出荷の伸びはウェハー生産量の増加だけに頼っていたと述べています [1]。システム内の在庫が少ないため、需要が少し増えただけでも価格にすぐ表れます。
なぜAIエージェントは通常のDDR5の需要を押し上げるのですか?
品不足は、特殊なHBMだけの問題ではありません。TrendForceは2026年10月22日に、サーバーCPUの出荷が2026年に前年比31%、2027年に40%超増加すると予測しました。また、AIサーバーにおけるCPUとGPUまたはASICの比率が、AI推論とAIエージェントの拡大に伴い、従来の1:8から1:2、さらには1:1へと移りつつあると述べています [4]。2026年10月29日の別の発表では、CPU1基ごとに電源モジュールとDDR5メモリが必要だとしています [5]。AIサーバー1台あたりのCPUが増えれば、AIサーバー1台あたりの汎用サーバーDRAMも増えることになります。
生産能力は増強されていますか?
IDCは、今後2年間でメモリの生産能力が拡大すると見込んでいますが、それでも価格が2025年の水準に戻る可能性は低いと述べました [3]。本ガイドの元となった資料には、新工場に関する日付入りのサプライヤー発表が含まれていないため、新規の生産能力に関する数字は示していません。AI需要に対して生産能力がどれだけの速さで伸びるかは、主要な未解決の問いの1つです。
Sam AltmanはRAMについて何と言いましたか。OpenAIはメモリを買い占めているのですか?
多くの人がSam AltmanとRAMを検索するのは、OpenAIが世界のメモリ供給の大きな割合を吸収しているという主張を目にしたためです。本ガイドの元となった調査では、OpenAI、Samsung、SK hynixの声明や、OpenAIのメモリ購入を裏付ける主要メディアの報道といった一次情報は見つかりませんでした。そのため本ガイドは、供給シェアの数字を示さず、Altmanの発言として引用することもしません。
出典で言えることは何ですか?
出典のある需要の証拠は、幅広い買い手のグループを示しています。TrendForceは、発注の前倒しを、AI推論基盤を構築している米国拠点のクラウドサービス事業者によるものとし [1]、AIサーバーにおけるCPUの増加を、AI推論とAIエージェントに結びつけています [4]。個々のAI企業もその一部ですが、資料はそのうちの1社だけを切り分けてはいません。
1社のシェアに関する主張をどう読むべきですか?
どの機器と部品が影響を受けていますか?PC、スマートフォン、GPU、旧世代のDDR4
DRAMを搭載するほぼすべての製品が影響を受けます。以下の兆候には日付があり、いずれもアナリスト会社によるものです。
PCとノートPC
IDCは2026年6月2日に、世界のPC出荷台数が2026年に11.3%減少し、2026年第4四半期の出荷台数は前年比20%減になると予測し、PCメーカーは製品ラインナップ全体を維持するのに苦労するだろうと述べました [3]。IDCはまた、2026年第1四半期の出荷台数が前年比3%増加したのは、価格上昇と入手性の制約が見込まれるなか、購入者が購入を前倒ししたことが主な理由だと述べています [3]。TrendForceは2026年10月29日に、主要なノートPCのODMが、4Q26の受注は前年比で平均10-15%減少すると見ていると述べました [5]。
スマートフォンとグラフィックス
TrendForceは2026年1月に、スマートフォン向けのLPDDR4XとLPDDR5Xの市場が1Q26も供給不足のままで、モバイル向けDRAMの逼迫がすぐには緩和しないと予想しました [1]。2026年10月29日には、AIが生産能力の中で占める割合を高めてメモリと部品のコストを押し上げていると述べ、また別の点として、スマートフォンブランドが低調な消費者需要のなかでエントリー向けとミッドレンジ向けの出荷を絞っていると述べています [5]。
旧世代のメモリ
TrendForceは2026年6月22日に、一部のOEMとODMがメモリ仕様を引き下げており、場合によってはDDR4設計をDDR3に置き換え、一部のDDR3製品をDDR2を使う設計に作り直していると報告しました。同社は、契約価格が3Q26も上昇を続けると見込んでいました [2]。このように品不足は旧世代へと連鎖していて、旧世代が安い避難先になるわけではありません。
具体例:17%の上昇は何を意味するか
IDCによる2026年のPC平均販売価格17%上昇という予測 [3] は、市場全体の平均です。あくまで例示として、2025年に1,000ドルで売られていた平均的なPCは、17%の上昇で平均約1,170ドルになります。また、2025年に出荷された仮の100台のPCは、11.3%の減少で約89台になります [3]。実際の価格は、製品、地域、構成によって異なります。
メモリ不足で得をするのは誰で、損をするのは誰ですか?
品不足は、サプライチェーン全体で資金と選択肢を再配分します。出典がこの点をカバーしている範囲には偏りがあるため、ここでは裏付けのある影響だけを挙げます。
価格決定力を得るのは誰ですか?
- メモリサプライヤー。TrendForceは、NanyaやWinbondなどの台湾のサプライヤーが、需要がビット出荷量を大きく上回っているため、大きな価格交渉力を得ていると述べました [2]。ビット出荷量とは、メーカーが出荷するメモリ容量をビット単位で表したものです。
- 需要の強いAI向けメモリの生産者。サプライヤーはHBMとサーバーDRAMを優先しているため [1][2]、これらの製品で最も強い立場にあります。
柔軟性を失うのは誰ですか?
- PCメーカーとスマートフォンメーカー。IDCは、PCメーカーが製品ラインナップ全体を維持するのに苦労するだろうと述べ、TrendForceはDDR4設計がDDR3に置き換えられるといった仕様の引き下げを報告しています [2][3]。
- 旧製品の購入者。TrendForceは、WinbondがDDR2の生産を徐々に減らしていると述べており、その世代でまだ作られている製品の選択肢は狭まっています [2]。
- 消費者。PCの平均価格の上昇と、低価格帯スマートフォンのラインナップの縮小が、目に見える影響です [3][5]。
購入者にとってのメリットはありますか?
出典のあるメリットは間接的なものだけです。IDCは、今後2年間でメモリの生産能力が拡大するはずだと述べました [3]。出典には、消費者にとって近い将来に価格面で得になることを示すものはありません。これは、供給側には明確な短期的勝者がいて、需要側にはおもにコストが及ぶ市場ですが、サプライヤーの利益は、ここで使った出典では定量化されていません。
RAM価格は下がりますか?
ここで引用したアナリストによれば、すぐには下がりそうにありませんが、信頼できる終了時期を示せる人はいません。IDCのJean Philippe Bouchardは2026年6月2日に、同社はメモリ不足が2027年末より前には解消しないと見ており、価格は上昇を続けるだろうと述べました [3]。IDCはまた、今後2年間でメモリの生産能力が拡大しても、価格が2025年の水準に戻る可能性は低いと述べています [3]。TrendForceは、契約価格が3Q26も上昇を続けると見込んでいました [2]。
なぜ販売不振は価格を引き下げないのですか?
需要が落ち込めば価格も下がるというのは、よくある期待です。出典は消費者需要の低下を示しており、PC出荷台数は2026年に11.3%減少し、ノートPCの受注は4Q26に10-15%減少する見通しです [3][5]。それでもTrendForceは、契約価格が上昇を続けると見込んでいました [2]。出典にある説明は供給の割り当てです。サプライヤーはサーバーDRAMとHBMを優先するため、他の市場向けの供給は逼迫したままです [1][2]。
状況を変えうるものは何ですか?
もっともらしいが裏付けのない要因が3つあり、確認した出典はいずれもそれを定量化していません。AI関連の支出が鈍化する可能性、新たな生産能力が想定より早く稼働する可能性、機器が高くなるにつれて消費者需要がさらに弱まる可能性です。どれもバランスを変えうるものですが、本ガイドは、どれがいつ起こるかを予測しません。
他の部品には緩和の兆しがありますか?
まちまちの兆候はありますが、DRAMについてではありません。TrendForceは2026年10月29日に、低容量から中容量の民生用MLCCのスポット価格が2026年10月上旬に約5%下落した一方、高容量MLCCの不足は1H27まで続くと見込んでいると述べました。Murataは増強を前倒ししましたが、TrendForceは、新たな生産能力は2028年より前には期待しにくいとしています [5]。MLCCはCPU搭載のマザーボードやメモリモジュールに使われるセラミックコンデンサであり、これはメモリの予測ではありません [5]。
RAMは今買うべきですか、それとも待つべきですか?
本ガイドが示すのは一般的な情報であり、個別の購入アドバイスではありません。出典から見えるのは、アナリストが2027年末より前の解消を見込んでいないということであり [3]、すぐに価格が下がるのを待つのは、現在の予測に逆らう賭けになります。それでも、増設が必要でなければ、待つことには意味があります。実践的な進め方は次のとおりです。
- そもそもメモリの増設が必要かを判断します。使わないかもしれない容量にお金を使う前に、実際の使用状況を確認してください。
- 互換性を確認します。お使いの機器がDDR4、DDR5、はんだ付けのメモリのどれを使っているかを調べてください。世代は混在できず、多くのスマートフォンや薄型ノートPCは増設できません。
- 表面的な価格だけでなく、構成を比較します。メーカーが場合によっては仕様を引き下げているため [2]、仕様表でメモリの種類と容量を確認してください。
- 旧世代のほうが安いと思い込まないでください。品不足はDDR4、DDR3、DDR2にまで及んでいます [2]。
- 慌てて買うのは避けます。IDCは、2026年第1四半期のPC出荷台数が3%増加したのは、価格上昇が見込まれるなかで購入者が購入を前倒ししたことが主な理由だと述べており [3]、予測そのものが行動を変えうることを示しています。
価格は小売店や地域によって異なり、出典が述べているのは契約価格であって、個々の店舗の販売価格ではありません。
DRAM不足について、まだ不確かなことは何ですか?
現時点で、信頼できる答えがない問いがいくつかあります。
- 予測の質。TrendForceとIDCはどちらもメモリ市場に商業的な利害を持っており、その数字は結果ではなく予測です。
- 終了時期。IDCの見方は、2027年末より前には解消しないというものです [3]。確認した出典のいずれも、DRAM価格がいつ下がるかという日付を示していません。品不足が2028年以降まで続くという主張は二次的なメディアにしか見られず、ここでは繰り返しません。
- ウェハーに占めるHBMの割合。出典は、サプライヤーがHBMとサーバーDRAMを優先していると述べていますが [1][2]、それぞれに向かうウェハーの割合は示していません。
- 個別の買い手。OpenAIの実際のメモリ購入は、使用した出典には記録されていません。
- 新規生産能力の時期。IDCは、メモリの生産能力が2年かけて拡大すると見込んでいますが [3]、新工場の詳細はここでは扱っていません。
- イランの読者。ハードウェアの輸入、制裁、支払い条件に特化した出典のある資料は見つからなかったため、本ガイドはそれらについて何も主張しません。現地の読者は、最新の現地価格と供給元の条件を直接確認してください。
最も妥当な立場は、短期的な価格の方向は明確である一方、緩和の時期は明確ではないというものです。
| 市場 | 出典付きのシグナル | 出典の日付 | 出典 |
|---|---|---|---|
| PC | 出荷台数は2026年に11.3%減の予測。2026年第4四半期は前年比20%減 | 2026年6月2日 | IDC [3] |
| ノートPCのODM | 4Q26の受注は前年比10-15%減の見通し | 2026年10月29日 | TrendForce [5] |
| スマートフォン | 各ブランドがエントリー向けとミッドレンジ向けの出荷を縮小 | 2026年10月29日 | TrendForce [5] |
| スマートフォン向けメモリ | LPDDR4XとLPDDR5Xは1Q26も供給不足が続く見通し | 2026年1月5日 | TrendForce [1] |
| 旧世代のDDR | DDR4設計がDDR3に置き換えられ、一部のDDR3製品はDDR2に設計変更。契約価格は3Q26に上昇の見通し | 2026年6月22日 | TrendForce [2] |
| サーバーCPU | 出荷は2026年に+31%、2027年に+40%超の予測 | 2026年10月22日 | TrendForce [4] |
よくある間違い
PCやスマートフォンの販売が落ち込めば、RAM価格もすぐに下がると考える。
正しいやり方: 消費者需要の弱さだけでは、メモリ価格は下がりません。PCやノートPCの需要は落ち込んでおり、IDCは2026年のPC出荷台数が11.3%減少すると予測し [3]、TrendForceはノートPCのODM受注が4Q26に10-15%減ると報告しています [5]。それでも供給各社はHBMとサーバー向けDRAMを優先しており [1][2]、TrendForceは契約価格が3Q26も上昇を続けると見込んでいました [2]。出荷台数だけでなく、供給各社の割り当てに注目してください。
四半期ごとの予測を、何年も続く固定価格だと読んでしまう。
正しいやり方: 予測は日付のある見通しとして扱ってください。TrendForceの55-60%という数字は、2026年1月5日に公表された1四半期分の予測であり、何年も続く価格ではありません [1]。
DDR4のような旧世代のメモリは影響を受けないと考える。
正しいやり方: 品不足は旧世代にも広がっています。TrendForceは2026年6月22日に、一部のメーカーがDDR4設計をDDR3に置き換え、一部のDDR3製品をDDR2を使う設計に作り直していると報告し、契約価格は3Q26も上昇を続けると見込んでいました [2]。旧世代のメモリは安いと決めつけず、最新の店頭価格を確認してください。
OpenAIなど特定の1社が品不足の全責任を負っていると考える。
正しいやり方: 出典で裏付けられる範囲にとどめてください。本ガイドでは、OpenAIのメモリ購入量を定量化した一次情報は見つかりませんでした。引用した需要データが示しているのは、米国のクラウドサービス事業者やAI推論基盤の構築といった、より広い需要です [1]。発表された契約と、実際に納入された供給は区別してください。
価格が良さそうだからと、互換性を確認せずにRAMを買う。
正しいやり方: 購入前に、お使いの機器が対応するモジュールの種類(DDR4、DDR5、はんだ付けのLPDDR)を確認してください。世代の異なるモジュールには互換性がなく、多くのスマートフォンや薄型ノートPCはそもそも増設できません。
隣接する部品の価格下落を、メモリも安くなる証拠だと受け取る。
正しいやり方: 1つの部品の小さな値下がりは、DRAMの反転を意味しません。TrendForceは、民生用MLCCのスポット価格が2026年10月上旬に約5%下落した一方、高容量MLCCの不足は1H27まで続く見通しだと述べています [5]。MLCCはコンデンサであり、メモリではありません。
よくある質問
なぜ今RAMはこれほど高いのですか?
メモリメーカーは、先端プロセスノードと新規生産能力をAIデータセンター向けのサーバーDRAMとHBMに振り向けており、PCやスマートフォンなどに回る供給が限られています。TrendForceは、汎用DRAMの契約価格が1Q26に前四半期比で約55-60%上昇すると予測し、2026年6月にも主要サプライヤーがこれらの製品を優先し続けていると述べました [1][2]。
RAM価格は2027年に下がりますか?
IDCは2026年6月2日に、メモリ不足の解消は2027年末より前には見込めないとし、今後2年間でメモリの生産能力が拡大してもPC価格が2025年の水準に戻る可能性は低いと述べました [3]。DRAM価格がいつ下がるかを示した出典は確認した範囲にないため、時期は不確実です。
AIデータセンターはRAM価格にどう影響しますか?
AIサーバーには大量のサーバーDRAMとHBMが必要で、供給各社はウェハーをそれらに振り向けています。TrendForceは、AI推論基盤の拡大に伴い米国のクラウド事業者が2025年後半から発注を前倒ししており、サプライヤーの在庫は枯渇に近づいていたと述べています [1]。また、サーバーCPUの出荷は2026年に31%増加すると見込み [4]、CPU1基ごとにDDR5メモリが必要だとしています [5]。
Sam AltmanはRAMについて何と言いましたか。OpenAIはメモリを買い占めているのですか?
Sam AltmanとRAMを結びつける検索は、OpenAIが世界のメモリ供給を吸収しているという見方を反映しています。本ガイドの調査では、OpenAIのメモリ購入量を定量化する一次的な発言や発表は見つからなかったため、シェアの数字は示していません。出典のある需要データが挙げているのは、米国のクラウドサービス事業者とAI推論の拡大という広い要因です [1]。
DDR4とDDR5は同じように影響を受けていますか?
いいえ。TrendForceは2026年6月22日に、品不足が旧世代へ波及していると報告しました。主要3社はDDR4などの成熟ノード向けのウェハー割り当てを削減し、一部のOEMやODMはDDR4設計をDDR3に置き換え、一部のDDR3製品はDDR2を使う設計に作り直しています。契約価格は3Q26も上昇が続くと見込まれていました [2]。
用語集
- RAM
- RAM(ランダムアクセスメモリ)は、機器がプログラムを実行するときに使う高速で短期的な作業用メモリで、電源を切ると内容が消えます。
- DRAM
- DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)は、PC、スマートフォン、サーバーの主記憶の大半に使われるチップ技術です。
- HBM
- HBM(高帯域幅メモリ)は、AIアクセラレーターと組み合わせ、データを非常に高速にやり取りするための特殊なメモリ設計です。
- DDR4 / DDR5
- DDR4とDDR5は標準的なDRAMの連続した世代で、世代の異なるモジュールには互換性がありません。
- LPDDR
- LPDDRは、スマートフォンや多くの薄型ノートPCに使われる低消費電力のDRAMです。
- 契約価格とスポット価格
- 契約価格は大口の買い手が供給契約のもとで交渉して支払う価格で、スポット価格はその場限りの即時購入の価格です。
- ウェハー割り当て
- ウェハーはチップを製造する薄いシリコンの円盤で、ウェハー割り当てとは、メーカーがその生産量を製品間でどう配分するかを指します。
- AI推論
- AI推論とは、学習済みのAIモデルがリクエストに応答する段階のことで、モデルを作る学習とは区別されます。
- OEMとODM
- OEMは自社ブランドで機器を設計・販売する企業で、ODMは他社ブランド向けに機器を設計・製造する企業です。
- MLCC
- MLCC(積層セラミックコンデンサ)は、マザーボードやメモリモジュールに使われる小さな部品です。
- ASP
- ASP(平均販売価格)は、ある製品カテゴリーの製品が販売される平均的な価格です。
出典
- Memory Makers Prioritize Server Applications, Driving Across-the-Board Price Increases in 1Q26, Says TrendForce TrendForce · 2026-01-05
- Consumer DRAM Shortages Extend to DDR2 Products with Contract Prices Expected to Continue Rising in 3Q26 TrendForce · 2026-06-22
- PC Market Enters Volatile Territory as Memory Shortage Persists Through 2027 IDC · 2026-06-02
- Server CPU Shipments Projected to Grow Over 40% YoY in 2027, with Arm-Based Products Continuing to Gain Market Share, Says TrendForce TrendForce · 2026-10-22
- AI Inference Drives CPU and DDR5 Demand, with High-Capacitance MLCC Shortages Expected to Persist Through 1H27, Says TrendForce TrendForce · 2026-10-29